森と湖の国フィンランド。でも、日本だって、本当は森の国なんですよ。日本の国土面積の7割は森、全然フィンランドに負けてません。でも、わざわざフィンランドへ森林セラピーに行くような日本人は、日本が森の国だなんてちっとも思っていないでしょう。なぜか?それは、都市部に住む日本人が森から遠い暮らしをしているからでしょう。都会に住んでいると、普段全くといっていいほど森に入る機会はない。フィンランドでは都市に住んでいても森が近く、普通に茸採り、ベリー摘みなんかできる環境、この差は大きい。タンペレにいたときは、森や緑豊かなお散歩コースを歩くことが、生活の中で大切な時間だったので、帰国してそれを失ったことはわたしにとって大きかったです。
でも!フィンランドには気軽に入れる森があるが、日本には庭園がある!ということを、発見してしまいました。東京都には多くの名勝庭園があるのです。それらは回遊式庭園といって、園内を回遊して鑑賞する庭園です。つまり、お散歩コースになっているのです。たいていは、大きな池を中心に配してその周囲に道を巡らし、築山や橋、東屋などをそこここに配してあります。例えば小石川後楽園は、中国式をテーマにしていて、中国の名勝地をイメージした風景が作られていて、西湖、廬山といった名前がつけてあります。園内を巡りながら、中国の風景に想像を巡らせるという趣向。清澄庭園だったら「富士山」とか、「海」まであります。ちっちゃな山が富士山だったり、池が海だったりするのがなんだかお茶目。季節の花々があちこちに配してあるので、どの季節に行ってもはずれのないようになっているようなのも、すごいです。先日行った後楽園では、シャガの花が盛りで、藤が咲き始め、また、中国らしくりっぱな芍薬の花が沢山咲いていました。季節の外ながら、八つ橋を配した菖蒲園もあるし、いろんな種類の梅や桜の樹を集めたところもある。巡るコースは一通りではなく、途中で分かれ道があるので、どっちへ行こうか迷いながら、山の上に登って高いところから見渡したり、池の中をわたってみたり。園内は広いので、あちこち見ながらゆっくり歩いていると、すぐに1時間くらい過ぎてしまいます。何が面白いって、道の勾配や不連続(飛び石とか)、敷石や土の上を歩く感覚、変化に富んだ風景、こういった体全体で感じるしくみが、とっても感覚を刺激してわくわくするのです。普段平坦なアスファルトの上ばかり歩いているにんげんにとって、それがすごく刺激的。ディズニーランドよりもわくわくするかも(もとい、同じくらい)。
最後に、これは外せません、庭師さんたちのこと。どんなにりっぱな庭園も、樹や花を手入れする熟練した庭師さんたちがいなければただの公園になってしまうでしょう。素晴らしい花を季節季節に咲かせたり、樹木を美しい枝振りに導いて素晴らしい景色を作り出すことができる、庭師。手入れの行き届いた庭は、そうでない庭と比べたとき、その差が顕著にわかるんです。本当にすてき。庭師さんの仕事を思うと、いつも感動してしまいます。庭師さんってすごい!すごすぎる。
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