食材のこと

  引っ越してからそろそろ半年になろうとしています。日々の暮らしにはだいぶ慣れました。家も少しずつではありますが、整ってきています。

食生活は和食中心です。スーパーにいくと、和のお魚の新鮮なのがあったり、さつま揚げなんかのおいしそうな練り物があったり、和食の材料が目に付くからです。フィンランドでよく買っていたソーセージやハム、チーズは、高いし種類が少なく、買う気があまりしません（娘がチーズにはまってしまって、おやつ用チーズはよく買いますけど）。季節ごとに店に出るものが違うので、いろいろ試したくなります。たとえば春はアサリやホタルイカがおいしかったし、初夏はカツオやいわしがでています。季節の食材の豊富さはフィンランドの比じゃないです。

それでもフィンランドの食材がときどき恋しいです。料理は好きだけど、手際のよくない私は、フィンランドの便利食材に頼りたいことがよくあります。当時はこんなものを常備していました。

ドライたまねぎ　　みじん切りたまねぎを乾燥させたもの。 急ぐときにみじん切りしなくて済むので助かります。
カリカリたまねぎ　　油で揚げたみじん切りたまねぎ。サラダにかけるとおいしい。また、カレーなど、炒めたまねぎの代わりに入れてコクを出すのに使えます。
Suuruste  　米を使ったとろみ剤。洋風スープやソースにとろみをつけるのに、直接振り入れることができて便利。
半焼きバゲット　脱酸素パックで長期保存できる半焼きのバゲット。 オーブンで10分焼けば、焼きたてのおいしさ！種類も、雑穀やハーブなどいろいろ。

日本でも手に入るのかもしれないけど、普通のスーパーに売っていないのです。そういうものは、売っていても高いですよね。なかなか手に入らない、高い、という意味では次のものもあります。

クスクス　　早炊きのクスクスは、ご飯を炊くのが面倒なときに5分でできる主食としても便利。
ラザニアの板 　　国内ブランドのものはむちゃくちゃ安かったので、こちらでは買う気になりません。値段は5倍くらい？息子の好物だったんですけど。　
スパイス類 　インド料理大好きなので、コリアンダー、ターメリック、クミンは大袋で買って常備してましたが…あとはフィンランドのお菓子によく使うカルダモン。粗引きのものはこっちで見かけません。

よく、海外でおいしいパンを食べたことがある人が、日本のパンはおいしくないと言います。ではなぜ、ヨーロッパみたいなパンを日本でなかなか売っていないのでしょう？どっちを向いても「もちもちパン」の花盛り。

フィンランド人は保守的で、外食産業はパッとしないし、外国の料理をそもそも食べたがる人が少ない。それなのに、普通のスーパーでクスクスやラザニアの板を普通に売っています。スパイスの種類も日本に比べて豊富です。いろんな料理を食べたがる日本人なのに、この違いはいったいどこから来るのか、頭をひねってしまうのです。

売れ筋の商品しか棚に並べない小売店の問題？それとも、外食は盛んだけど家庭料理は案外保守的だったりする？せっかく棚のスペースがあっても、例えばラーメンだけで十数種類も置いてしまえば、他のものを置くスペースがなくなってしまう、ということも、あるかしら。選択肢が多すぎても、品種が偏ると結局多数派しか満足できない品揃えになるんではないかな。どのスーパーにも置いてないけど、結構知名度が高くて使える食材ってのを、手ごろな価格で提供するお店があったら面白いだろうな。外国人だって今や結構な人数が住んでるはずだし。