梅雨はいやな季節です。
いつも夏休みに帰国するときは、今の時期が多かったです。一時帰国を終えてフィンランドに戻ると、爽やかな空気にほっとしたものでした。昨年の帰国時は体調を崩して寝込んだこともあり、引越し後初めての梅雨&夏越しに不安。連日30度前後で曇り空が続くと、ぐったり。体中汗でべとべとして服がまとわりつく。夜も蒸し暑く、何か閉じ込められて逃げられない感じ。入梅には気温が低ければ低いで、暑く感じるのに体はひんやり冷たく、エアコンもつけられません。
どんより暗く、体が動かない。仕事がはかどらない…これはまるでフィンランドの11月みたい。11月は日がどんどん短くなり、毎日曇り空で昼間が数時間しかない。体が動かなくて、正午近くまでのろのろしている。
どこに住んでも、いいとこばかりじゃないってことですね。
書道教室で、こんなコトバを書きました。「三餘」。餘、は余の難しい字です。意味は、一日の余りが夜、季節の余りが梅雨、一年の余りが冬、この余りの時間に勉強に励みましょうというような意味らしいです。勉強するかは別としても、梅雨が「余り」っていうのが妙にはまって、余りを積極的に活用しようとする心意気が、いいなあと思いました。わたしも、エアコンをケチるのを大概にして、梅雨を活用することを考えなくちゃ。
余談ですが、娘の誕生日が昨日でした。これまで誕生日は夏休み中。フィンランドでいちばんすてきな夏の季節。友達が来て遊んだり、日本に帰ればおじいちゃん、おばあちゃんに盛大に祝ってもらったりと、超ハッピーなイベントだったのに。日本では普通の日。昨日はちょうど日曜日だったので、スペイン料理のお店を予約して家族でお祝い。丸いケーキも買ったし、新しい靴も買って、大きな箱も届いたのに…それなのに、娘の気分は下降線。午後から雨が降り出し、夕方には嵐のように。レストランは、いい雰囲気だけどサービスが悪く、おなかをすかせたまま延々と待たされ。食事が終わるまでにはそうとう落ち込んでしまった様子の娘でした。この気持ち、なかなかわからないでしょうね。わたしの誕生日は4月。日本では花が咲き乱れ、暖かくて美しい季節。でもフィンランドでは、雪が溶けて地面はぐちゃぐちゃ、雪に埋まった犬の糞がにおいをまきちらす季節。日差しがきついのに緑はまだ萌えず、灰色の日々が続く、11月の次にいやな季節なのです。その落差に毎年いやな思いをしていたわたしは、娘の気持ちがわかります。こんどは彼女が、一番美しい季節から、一番うっとおしい季節の誕生日になったのです。
いつかまた、フィンランドで誕生日をお祝いしようね、と言ったら、うなずいていた娘です。
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