生イーストとドライイースト

昨日の日曜日はＬａｓｋｉａｉｓｓｕｎｎｕｎｔａｉというキリスト教の祝日でした。友人に送ってもらったフィンランドのカレンダーにしっかり書いてあるこの祝日を見て、子供たちやダンナが口々に言ったことは、「Ｌａｓｋｉａｉｓｐｕｌｌａ（ラスキアイスプッラ）食べたい!」。

ホイップクリームがたっぷり挟まったプッラ、つまりほんのり甘いおやつパン。クリームと一緒にジャムやアーモンドペーストが入っていて、表面にアーモンドスライスと粉砂糖がかかっている。イースターまでの断食に備え、カロリーの高いものを食べておこうと誰かが考えだしたらしい。断食などしない現代のフィンランド人の間で、食べる習慣だけが残って…ラスキアイススンヌンタイの日曜日を控えた2週間くらいのみ、お店に出回る季節限定スイーツなのです。

この大変シンプルなフィンランドスイーツ、いつのまにか我が家でもこの日にかかせないお菓子となっていました。いつかこれを買いに、大雪の後に街まででかけたことがありました。


家族の声を聞いて、ぐうたらママも大奮発。ラスキアイスプッラを作ることにしました。ジャムの入っているのより、アーモンドペースト入りが好きだけど、そんなものは売っていないので、アーモンドスライスを砕いて砂糖とすり混ぜ、水を加えてみたらそれらしいものになりました。あとは普通のプッラのレシピで焼いて、半分に切って、アーモンドペーストと生クリームをはさむ。プッラは何度か作ったことあるし、なんとかなるんじゃない…ところがどっこい。やっぱりパン作りも、日本の方がフィンランドよりだいぶ面倒だという現実に直面。

まずドライイーストを使うこと。フィンランドでは生イーストオンリー。お店の冷蔵品コーナーに必ず置いてあり60セントくらい。 生イーストは人肌の牛乳に溶かして、発酵は室温に置いておくだけで1時間くらいで膨らみます。二次発酵は15分くらい。早いのでつい置きすぎて生地がへなへなになる失敗が何度かあったっけ。ドライイーストは40度以上に溶かさないといけないそうで、発酵も40度なのでオーブンに入れて。二次発酵も同じくオーブンで、30分かかりました。夏も冬も暖かく温度が一定の室内で作っていたときは、オーブンで発酵させたことはなかったのにな。あ、でもサウナで発酵させたことがあった。もちろん火は入れませんよ。サウナはいつも室温よりも高かったからなあ。

片手間とはいえ4時間ほどかけて作り上げたラスキアイスプッラ、不恰好だけどそれらしい見栄えに、期待感にわくわくしてパクリ。。。ン。。。ム。。。味はイマイチでした。
どうやら粉が古かった。フィンランドの小麦粉（erikoisjauho)は日本の薄力粉とも強力粉とも違うようなので、中力粉を使ったんだけど、普段あまり使わないので古くなっていたらしい。あと、生クリームがおいしくない。たまたま行ったスーパーでは純生クリームがなく、乳製品を加工したホイップクリームを仕方なく買ってきたのがまずかった。日本では生クリーム売っているお店、少ないんですよね。

と、いうわけで、帰国後初のプッラは失敗に終わりましたが、でもプッラは焼いているときがシアワセ。。。と実感しました。Pullan tuoksu（プッラのにおい）はシアワセのにおい。今度は新しい粉でまた作ろうっと！

ところで、わたしの周りにはホームベーカリーで日頃パンを焼いているという人が結構います。お米パンブームもあってこれからもどんどんホームベーカリー使用者が増えることと思いますが、この際生イーストを大々的に市場に出したら結構売れるんじゃないかしら？発酵早いよ～。あ、でもホームベーカリーはドライイースト仕様になってるのか。このアイデアはだめかな。